三角テントからドーム型テントへ

子供の頃キャンプに行くと必ず大人は三角のテントで、子どもは父が張ってくれた蚊帳の中に寝泊りしていました。
父は学生の頃山岳部に所属していたので、色々とキャンプ道具を持っていて、その中でも裏にトゲがついた靴をいったい何に使うのかとずっと不思議に思っていました。

最近になって自分の子どもがキャンプに行きたいと言い出したので、初めてアウトドアショップに足を運んでみました。
そこでまず思ったのが、テントが全部丸い、ということでした。

これまでの人生、キャンプで使うテントは全て三角だと思い込んでいたので、ショップに並ぶドーム型のテントには戸惑うばかり。
そしてどれも技術や知識がなくても簡単に組み立てられるようになっていて驚きました。
価格も思ったより安かったので、今年は自分の手でテントを設営しようと決意し、早速購入しました。

関心を持たない人にとっては、このテントの形状は、いつまでたっても三角でしょうが、小さな頃からドーム型テントしか見ていない子どもにとっては、三角テントは知らないですよね。
こうしてジェネレーションギャップが生まれてくるんですね。

どちらも知っておくことが一番ベストですが、最低なのは、知らないからと言って、相手を馬鹿にすることですね。
人は知らないことが多いから学習する能力を与えられているのです。
知らない事を指摘する人は、人として再教育が必要でしょう。

キャンプの前に、しっかりと二度目の車検を受けておくことにします。

昔見たウミホタルの美しさ

昔学校の修学旅行のようなもので、どこかの海のほうに行った。
修学旅行だったか、部活の合宿だったかは定かではない。
そもそも私は学生時代の記憶というものが実に欠落しており、ごく部分的にしか残っていない。

それはそれでよいとして、そんな乏しい記憶にすら残っているほど、大した思い出があるのだ。
私は引率の先生と、何十人もの生徒(ということはこれはきっと部活の合宿ではない)と一緒に夜の海にいた。
(更に記憶の片隅に、キャンプファイヤーと称しながらも体育館で体育すわりで、蛍の光とか羽生の宿なんかをみんなで歌わされた記憶がある。ああ、これは臨海学校だ。)

波の音が響いている。
ほとんどかすかにしか見えないが、ぼんやりと白波の輪郭が見えた、ような気がする。
そして先生が、「あれがウミホタルだよ」と言ったのだ。
そういわれて波打ち際と思われるほうを見やると、波の輪郭が青い細かい光の粒にかたどられている。
今なら、発光ダイオードの色だ、と叫んだかもしれない。
本当に星のようにきらきらと、小さな小さな青い光が点滅しながら、波の動きに合わせて上下している。
寄せては返す青い光の波。
あんなにも感動したのは、90年代に歴史的個数が流れたしし座流星群以来だ。
とにかくこの世のものとは思えないほどの幻想的な光景だった。
それからウミホタルという名前は、どこかの道路が冠したりして耳にすることも多くなったが、やはりこの名前を聞くたびにあの日の景色がよみがえってくる。
真っ暗な海だったということすら忘れてしまうほど、明るかった生物的な光。
自然のつくった生き物と言うのは、人造物が逆立ちしたって届かないほど、美しい至高の存在なのだ。

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