二十四季節

情緒あふれる日本には、春夏秋冬をさらに細かく表現した二十四節季がある。
全部を覚えている人は少ないかもしれないが、そのうちの幾つかは、二十四節季とは知らずとも、使っている。

まず、夏至、冬至、春分、秋分。そして、立春、立冬。
もちろん、立夏や立秋もある。

立秋を過ぎれば、季節の挨拶を「暑中お見舞い」から「残暑お見舞い」に代えることから、馴染みがない様でいても実は、日常への係わりが伺える。

また、「茶摘み歌」の歌詞にある「夏も近づく八十八夜…」。
これは、春分から数えて八十八日ごろのことなのである。

小満、芒種、穀雨などは、農耕に即したもの。小暑、大暑、小寒、大寒など気温を現したもの。
雨水、白露、霜降などは気象を現したもの。啓蟄は、暖かくなって虫が穴から出てくる様子。
二十四節季は、太陰暦を使っていた昔、気候と暦の間に出来るずれを解消するために、気候に合わせて作られたもの。

二十四節季を意識して、日本の四季をより深く楽しむこともできる。

風流という言葉があるが、風流とは何だろうか。
季節を感じる事に他ならない。
これは行事によって感じるものではなく、自然から感じ取る感覚を養わなければ、気づかないこともあるだろう。

何気ない日常を漫然と過すだけならば、こういった小さな変化にも気付かない。
だから毎日が退屈、などというのではなかろうか。

季節を楽しむ

最近、コンビニエンスストアなどのお店を見ていて思うのですが、季節の先取りが凄いです。
例えば、冬の風物詩であるおでんや中華まんは、お盆あけくらいからもうお店で売られ始めています。
他にも、色々な季節のイベントを2ヶ月3ヶ月前からしきりにアピールしています。

月並みな意見ですが、これはあまりよくないことなのではないか、と思ってしまいます。
以前お客さんに、節分の恵方巻をおすすめしていると、「別の店では年が明ける前から恵方巻の売り込みをしていたよ」と言われました。
年明け前ということは、これからまだ大晦日やお正月、鏡開き、成人の日などのイベントがたくさんあります。
そんな時に2月のイベントの話をされても正直ピンとこないと思います。
コンビニなどのイベント商戦を見ていると「あぁもうそんな季節だなぁ」というよりは「え、もうそんな季節なの!?」という気分になってしまいます。
そのせいか最近は季節が過ぎるのが速く感じます。
つい先日までクリスマスやお正月ムードに浮かれていたのに、もう節分なのかと思うと、何だか時間が過ぎるのがもったいなく感じてしまいます。
昔から日本人は自然の移り変わりを見て季節を実感してきたといいます。
私も自然、特にお花を見るのは大好きで、春になると毎年お花見に行きます。
また秋には黄色いいちょうを、冬にはさざんかの花を見ながら散歩するのが好きです。
そうしてゆっくりと流れる季節を楽しんでいた方が、時間を大切に生きていけるのではないかと思います。
お店のディスプレイに惑わされずに、のんびりと季節を感じて、ゆっくりと歳をとっていきたいものです。

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